これは、日中韓の3カ国が協力してオープンソースソフトウェアを推進していこうとする北東アジアOSS推進フォーラムの場で、OSS貢献者賞の授賞式および受賞者スピーチをするために韓国の釜山へ出張したときのレポートです。 |
2013年2月15日(金) TOMOYO Linux メインライン化の功績により、第8回日本OSS貢献者賞に選ばれたとの連絡を受領する。
2月22日(金) オープンソースカンファレンス Tokyo 2013/Spring @明星大学の中で開催された、OSS貢献者賞・奨励賞の授賞式に参加する。
連絡から本番まで1週間しかなく、業務多忙のため受賞者スピーチの準備をする暇もなかったので、「熊猫さくらについて」という即席の資料を作成して対応した。
副賞として電子書籍リーダーの Amazon Kindle と電子書籍1冊を戴いたが、熊猫はノートPC以外の携帯型デバイスを一切持たないし、無線ネットワーク環境も使わないし、移動中は目を休めたいので、使う機会が絶対に無いことがはっきりしている。猫に小判状態にゃ~。
4月10日(水) OSS貢献者賞の副賞として Intel NUC セットという、とってもコンパクトなPCを戴く。
当初は、しばらく使っていると熱暴走により内蔵SSDデバイスを認識しなくなるという不具合に悩まされた。
冷却ファンの工場出荷時設定が不適切であったようで、BIOSのアップデートおよび冷却ファンの設定変更により、ようやく安定して動作するようになり、カーネルのコンパイル環境として重宝することになった。
4月24日(水) OSS貢献者賞の受賞者をジャパンナレッジというサイトで紹介したいという連絡を受領する。熊猫の持ちネタが少なくて記事にできるか不安ではあったが、了解する。
5月31日(金) 業務多忙で炎上していたものの、熊猫が担当できそうな業務が無くなったので、OSS貢献者賞の副賞として頂いた LinuxCon/CloudOpen Japan 2013 の招待券を使って、最終日の午後のセッションを見学に行く。
LPI Japan のブースがあったので、 LPIC レベル3 Specialty 「カーネル」の認定の開始予定を訊いてみたが、まだ未定とのことだった。有意性の期限が8月29日で切れてしまうため、 LPIC レベル3 Specialty は「セキュリティ」の認定を受けるしかないと判断する。 LPIC レベル3 Core の認定を持っていることを伝えたら、 LPIC ペンギンさんのぬいぐるみを戴いた。
7月9日(火) LPIC レベル3 Specialty 「セキュリティ」の認定を取得する。相変わらず業務多忙につき勉強する時間が全然なかったため、有意性の期限が切れるまでに3回受験できるギリギリのスケジュールで受験。低空飛行ながらも、1回目の受験でなんとか合格した。
7月22日(月) ジャパンナレッジに取材記事が掲載される。他の人たちと比べてなんだか浮いている気がするなぁ。
8月13日(火) セキュリティキャンプ2013に講師として参加する。昨年とは異なる施設だが、場所が千葉の海浜幕張駅であるという点は同じである。
今年の熊猫ゼミでは、技術が解りそうな人が1名、技術には疎そうな人が2名参加予定であったが、後者のうちの1名は事情により参加できなかった。他の講師たちが技術的な講義を繰り広げる中、熊猫は、カーネル内アクセス制御の話をしながら、セキュリティとは何かという非技術的な話もしていた。
9月2日(月) 北東アジアOSS推進フォーラムが今年は釜山で開催され、授賞式に参加してほしいとの連絡を受領する。この時点では熊猫は受賞者スピーチをする予定は無かった。
10月24日(木) 状況が変わり、熊猫が受賞者スピーチをすることになる。参加するだけで喋らないので気楽だと思っていたら、突然重荷が降ってきた感じである。
11月12日(火) 会社のアカウント宛に、プレゼン資料の締め切りが今日であるというメールが昨夜届いていたのを今朝読んだため、急遽一日年休を取得してプレゼン資料を作成する。
何を話そうかいろいろ悩んだが、結局はオープンソースカンファレンスやセキュリティキャンプと同じような内容になった。別に、特定秘密保護法案のことを意識している訳ではないが、 Linux のセキュリティで試行錯誤を続けてきた熊猫にとっては、隠すことによるセキュリティでは駄目だという方向に向かってしまう。
11月15日(金) 事務局より、経費支払いについての連絡を受領する。ホテル代は立て替え払いとなることが判明。海外出張申請のやり直しが必要になるが、今からでは間に合いそうにない。
11月17日(日) 受賞者スピーチの原稿を作成し、難しい用語の言い換えを同時通訳の方たちが事前に考えられるようにしてもらうために、原稿を送付する。いつもは発表時間ぎりぎりまで喋りまくりな熊猫であるが、今回は同時通訳があるので喋る内容は最小に抑えている。
11月18日(月) 現地のホテルまでの経路や、電車の時刻表、地名の読み方など、出張の流れを確認する。
(3:45)起床。今回の往路は朝の便であるため、起床も早い。
(5:16)家を出発する。夜明け前で綺麗な月が見える。
(5:37)仙川駅で各駅停車新宿行に乗る。一本早いのに乗れるかと思ったけど、さすがにこの時間帯に一本早いのは無かった。
(5:59)笹塚駅で各駅停車本八幡行きに乗り換える。
九段下駅では半蔵門線が見えた。そういえば、今年の3月に都営新宿線と東京メトロ半蔵門線の間にあった壁が撤去されたんだったよなぁ。
(6:20)馬喰横山駅に到着。東日本橋駅まで歩く。
(6:28)東日本橋駅で各駅停車青砥行きに乗る。
(6:42)押上駅でアクセス特急成田空港行きに乗り換える。
朝日が眩しいのと、眠いのとで、外の景色を眺めることはできなかった。
(7:34)成田空港第2ターミナル駅に到着する。
(7:52)荷物のチェックインが完了する。
(8:15)両替を行う。(19929円→182000KRW)現地でバスに乗る際に7000KRW×2が必要なので、お釣り無く払えるように1000KRWを多めに入れてもらう。
(8:25)海外旅行保険に申し込む。
(8:40)セキュリティチェックと出国審査を済ませる。
(8:50)搭乗ゲートに到着する。
(9:30)搭乗する。日本航空957便釜山空港行き。今回は航空券とホテルの手配を事務局に任せていたので、窓側では無く通路側の席になってしまった。
(9:42)ゲートを離れる。
(10:07)離陸。目的地はほぼ真西方向なのだが、離陸時は南南東方向へ進むので、一時的に目的地までの距離が増えているのが座席のTVで見えた。
(10:35)昼食。「なすび亭」という店の弁当。鯖の唐揚げ丼~生姜味噌だれ~、すき焼き風牛肉、香の物、甘味。
その後は例によって数独で暇つぶし。
(12:00)釜山空港に着陸。時差0時間の海外出張は初めてである。
(12:05)ゲートに到着。
(12:15)入国審査。何も訊かれなかった。
(12:21)荷物を受け取る。
(12:40)リムジンバスに乗車。
何だか不思議な風景である。台北へ行った時と似ている部分もあるけれど、北アメリカの都市と日本の都市をミックスしたような感じである。
(13:29)バス同士の間隔調整のためか、5分ほどバスが停車。
(13:43) Paradise Hotel Busan に到着。
建物に入ってみてびっくり。空港の免税店街のような光景で、ホテルじゃなくデパートではないかと疑ってしまった。実は隣のビルへ続く連絡通路があり、そちらがホテルの本館ということが判明した。
事務局へ寄ってみるが、知り合いがいない。会議の受付のような箇所があったので、経緯を説明してどこに行ったらいいかを訊いてみたところ、事務局へ案内され、そこで知り合いが来るまで待つことに。
(14:05)先ほどの別館に戻り、チェックインを済ませる。
(14:09)17階にある宿泊部屋に到着。海が目の前に広がっている。
(14:15)仮眠。時差が0時間とはいっても、早起きしたので眠い。
(17:00)起床。明日のスピーチの練習をする。
(18:10)事務局へ戻り、出張旅費の精算を済ませる。その後、展示ブースに寄って立ち話をする。
(19:05)夕食会場へ移動。前の会議が長引いたため、予定より遅い開始である。
コース料理。日中韓それぞれの代表者が挨拶スピーチと乾杯を行うので、何だか調子が狂う。各国の代表者間のプレゼント交換があったり、パフォーマンスショーがあったりとで大賑わい。
2月のオープンソースカンファレンスでの授賞式を見に来てくれた人がいて、声をかけてくれた。
(20:55)部屋に戻り、スピーチの練習をする。
(22:00)就寝。
(4:50)起床。
(6:20)朝食。料理が台北のホテルに泊まった時と似ている。でも、タコヤキとか天ぷらとかもあったのは意外。
(7:15)部屋に戻る。
(7:45)事務局へ行く。
昨日のうちに、「熊」「猫」「さくら」シールつき名刺をほぼ使いきったので、念のため作成しておく。
(8:00)発表会場へ行ってリハーサル。壇上での並び順や記念品の受け取り手順の確認をする。盾と賞状と花束が渡されるとのことだが、花束は(持ち込み禁止品に抵触するらしいとのことで)日本へ持ち帰れないので、授与式終了後に返却することに。通訳を交えながら3カ国語が飛び交うため、情報共有が大変である。
(8:30)事務局へ戻る。
(8:52)会場へ。午前中はキーノートスピーチやワーキンググループの進捗報告やOSS貢献者賞・奨励賞の授与式があった。
OSS推進フォーラムには4つのワーキンググループがあり、その中で人材育成を行っているグループが、OSS貢献者賞・奨励賞という制度を設けており、熊猫はその制度によって釜山まで来ることになったことを理解した。
授与式では、スポットライトの光が眩しすぎて、カメラの方を向くのが大変であった。
(11:38)昼食会場へ。朝と同様、ビュッフェ形式。しかし、朝食でたくさん食べたのであまりお腹が空いておらず、昼食は果物を多めにした。キムチが美味しかった。
会場前に戻って、スピーチの練習をする。同時通訳の方が発表内容の確認を求めてきたので、原稿通りにゆっくりめに喋る予定だけれど、翻訳のペースに合わせて先行しても構わないよと伝える。
(12:55)会場へ。午後は受賞者スピーチと情報交換セッションと議長声明などがある。
(13:35)熊猫のスピーチ開始。 PacSec 2008 の時は日英同時通訳で、英語の通訳の進み具合を確認しながら進めることができたが、今回は韓国語と中国語なので、どれくらい追いついているかを全く判断しようがない。15分の枠であるが、5分遅れていたので、普通のスピードなら6分で終わる量の話を10分かけて話した。
(13:45)スピーチ終了。話を聞いてくれたのは全部で30名くらいかな?事前に原稿を共有して、なるべくゆっくり話をしたから、無事に同時通訳できていると良いな。
(14:00)情報交換セッションが開始。プロモーションフォーラムなので、宣伝的なものが多い気がした。
(17:00)定刻より5分早く終了。会場を出て、お土産探し。韓国海苔とかチョコレートとかを購入。価格の表記は何故か韓国ウォンではなくアメリカドルと中国人民元。台北でも日本円で支払いができる店があったが、釜山でも日本円での支払いができるようだ。どうやら、リムジンバスの乗車代金分以外はわざわざ両替する必要は無かったようである。
(18:10)部屋に戻って、荷物を置く。
(18:20)夕食会場へ。今日はビュッフェ形式。昨日と同様、各国語での挨拶と乾杯。なんだか間が抜けるなぁ。どうせなら、3カ国語で同時に乾杯すればいいのに。パフォーマンスショーもあった。
受賞者用のテーブルが用意されていたのだが、ビデオカメラの視界内で恥ずかしかったので、こっそり別のテーブルへ。7月に LPIC レベル3 Specialty を取得した縁から、 LPI-Japan の成井理事長との話で盛り上がった。
(20:18)部屋に戻る。
(21:00)就寝。
(4:55)起床。
(6:35)朝食。ヨーグルトが美味しかった。
(7:19)部屋に戻る。昨日買ったお土産をスーツケースに詰め込む。化粧箱入りの盾も、リュックに入れるには嵩張りすぎなので、スーツケースに入れることを画策。東京より寒いだろうとのことで大量に持ってきたポケットティッシュを緩衝材として詰め込み、無事にスーツケースに収納できた。今回の出張は2泊3日だけれど、いつもの大型スーツケースを持ってきて正解であった。
(8:30)飛行機まではまだ時間があるが、することも無いので、部屋を出る。
(8:35)ホテルをチェックアウトする。
(8:48)空港行きのリムジンバスに乗る。
朝なので乗客は多めである。途中で、バス停を出発直後に駆け寄ってきた乗客に対して運転手が怒っている場面があった。感情を表現する民族だという表現がネット上にはあったけど、怒るべきことには怒れるというのは良いなぁ。
運転手が何かを指示したようだが、韓国語なので全く解らない。幸い、他の乗客がシートベルトを着用したので、シートベルトを着用してくれという指示であろうと推測できた。中盤、高速道路らしき場所に突入したが、朝の渋滞のために低速道路になっていた。
(10:02)釜山空港に到着。しかし、搭乗予定の便のチェックインはまだ始まっていなかった。
(10:30)ハウスキーピングでシーツ交換を省略した宿泊客に贈られるナッツをつまむ。無料インターネット接続環境もあるが、キーロガーなどが心配なので、メールのチェックなどパスワードを入力する用途には使いたくない。暇なので、昨日の資料を読み直す。
(12:09)チェックインを済ませる。荷物を預けた後、セキュリティチェックを通過するまで5分程度待つようにとの表示があった。セキュリティチェックの済んだ荷物が流れていく様子を映しているモニターを見ていたが、よっぽど特徴的な目印が無い限り、区別できないだろう。20分ほど見ていたが見つからなかったので、もう通過したのだろうという前提で諦めた。
(12:35)セキュリティチェックを済ませる。パスポートもスキャンの対象であった。
(12:37)出国審査を済ませる。
(13:00)お土産としてフェイスマスクを買う。日本でも買えるものをわざわざ韓国で買うことも無いのだろうけれど。店員が大阪弁な日本語を喋っている。(笑)
(13:37)搭乗。日本航空958便成田空港行き。復路はお土産で荷物が増加する傾向があるので、頭上の荷物格納領域で荷溢れが多発していた。
(13:53)ゲートを離れる。今回も通路側なので、外の景色が見えない。
(14:04)離陸。
(14:22)昼食。「なすび亭」だが、往路とはメニューが違う。舞茸の炊込み御飯、紫蘇つくね、野菜の梅おろしのせ、厚焼き玉子、昆布の佃煮、甘味。
例によって数独で暇つぶし・・・するほどの時間も無かった。
(15:36)成田空港に着陸。
(15:41)ゲートに到着。かなり離れた場所なので、ターミナル内の移動に時間がかかる。
(16:00)入国審査を済ませる。
(16:02)荷物を受け取る。
(16:04)税関を通過。
(16:27)スカイアクセス経由スカイライナーが中心なので、スカイアクセス経由の特急を待っても京成本線経由で行っても大差ないと判断し、京成本線経由の特急上野行きに乗る。
(17:19)京成八幡駅に到着。
(17:27)各駅停車橋本行きに乗る。
(18:38)仙川駅到着。
(18:50)帰宅。メールをチェックしたところ、 TOMOYO のツールのパッチが提案されていた。
2013年11月22日(金) とりあえずお土産を配布。使用済み航空券を事務局へ郵送。海外出張申請のための手続きはまだ先になりそう。 RHEL 6.5 がリリースされたので、チェックを行う。
11月23日(土) TOMOYO を RHEL 6.5 に対応させて、溜まっていたパッチをアップデートしてから、このレポートを作成中。今回は即席対応ばかりだったので、出張報告って何を喋れば良いのかなぁ。